真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

2021-01-01から1年間の記事一覧

全部捨てたよ

「全部捨てたよ」 そう云えれば、どんなに楽だろう。 初めましてから、始めましょう。そんなわけにはいかない。わたしのことを忘れましたか。あなたのことを、忘れました。そんなわけにはいかない。 年の瀬、思い出。それは、荷物になる。なんて、そんなこと…

それは恐怖ではない

長年の記憶が背中に張り付いていても、それは恐怖ではない。 長年のことだったのだから、すっかりさっぱり綺麗に消えるなんてことは、もしかしたら、ないのかもしれない。痛みを強く感じたことではなく、心から穏やかだったときのこと。信じられないくらいの…

もう 会わないよ

神様、助けて。 どうしてか、いつも、「神様」と、心の中で叫んでしまう。 小学校に上がったばかりのころ、おかあさんが、買い物から長く帰って来なくて、悲しくて悲しくて、町内中に響き渡るくらいの大声で、「おかあさん、おかあさん」と叫んで、無事、帰…

特別な日

特別な日はそう多くないから、その思考、感情をすぐに忘れてしまう。 忘れようとしてしまう。 だけど、特別な日は、日常と繋がっている。 だから、一昨日のことも昨日のことも今日も明日も、繋がっている。 忘れてはいけないこと(だけど、勘違いしてはいけな…

時間をかける

時間のバランス 好きなこと 今 好きでいること 時々 変わる 長い目で見ると 変わらない 長い目で見ると 変えていくことができる ターニングポイント 長い目で見ると とても 小さなポイント だけれども 苦しくても 今の自分にとっては大きなポイント 長い年月…

そこにわたしはいなかった

そこにわたしはいなかった だから なんだか とても いたたまれないので にげだしてしまいます 申し訳御座いません いたたまれなくなったわけを ぜんぶ説明することをあきらめて あやまったことで なんとかなると にげだしてしまいます もう少し もう少し も…

穏やかに

楽しみな(届くのを待っている)ことができました。それは、とても嬉しいこと。 駆け回って、聞きたくない言葉を浴びて、駆け回り続けている仕事中の夢から目覚めた今日だったから特に。 じっと集中して、じっと穏やかになって、静かに静かに静かに、ただ、迷…

長い夢

あなたの声が聞きたい そういっても 聞くことはできないから あなたの言葉を思い出してみる 何度も 何度も 思い出は重たいからいらないなんて言わないよ どんなに手掛かりがなくなっても どんなことをしたって 思い出は 消えない それは 決して 悲しいことで…

無我無心

無我無心になって 根拠のない自信と日々の道と。 無我無心になって、朝も昼も夜も忘れて、食事も忘れて、少し途中に水を飲むぐらいにして、無我無心になって、ずっと、その一点に取り組んでいたい。何もかもをストップさせて。朝も昼も忘れて、眠ることを忘…

恩人

どん底になったとき 恩人の言葉を思い出す ふと 眠る前 何気ない会話の言葉を思い出す 目に焼き付いている 最後の言葉 時々 思い出す もう どこにもないのに 思い出す こんなにも 支えられているとは 分からなかった こんなにも 助けられているとは 気付かな…

届かない手紙の行方

ここにいるから 心配しないで もう 考えることは よそう ここにいたって どこにいたって 心配というものは 関係がない 届かない手紙は どこへいったのか 届かないのだから 空へと飛んで 飛んで 飛んでいって 消えたのだ もう 考えることは よそう いつも通り…

ばらのうた

ラジオから流れてきた「みらいのうた」 嫌いになれない好きな声。 胸が少し、ほんの少しだけざわつく。 後悔するのは、さよならの始まり さよならの道は、まだ、歩き始めたばかり。 薔薇をもらいました。捨てました。悪いことをしました。 だけど、だから、…

とんぼの背に乗って

「過ぎいく夏に、淋しさを感じる」と君は云う。 淋しいなんて感情、もう、遠くへ消してしまったよ。 汗を零し、髪を切り、アイスを食べて、夏が消えていく。 まだ、まだだ。 汗のことだけではなく、2日前のとんぼのことを思い出す。 わたしのまわりをぐるぐ…

コップ半分のタイムトラベル

恐怖を後悔する。 色んなことはタイミング。 色んなことは、どんどん過ぎていく。後悔が全身を覆う。 いけない、いけない。後悔ばかりに囚われてはいけない。後悔とは振り返ること。 いけないいけないいけない。振り返ってばかりはいけない。振り返ってはい…

張りつめた糸

張りつめた糸 糸は 切れてはいけない 張りつめた糸 それは 目の前にあった それを 見ていなかった ちゃんと 見ないといけないよ 張りつめた糸 糸は 切れてはいけない 糸は 切れない 見ていよう 見ていよう すぐ近くから 少し近くから 少し遠くから 遠くから

形にならないもの

あしあと のこすよ かたちに ならなくても だれも しらなくても 形にならないものを 形にならないままに ただ 足跡を残す だれにも知られないまま ものがたりのつづきをはじめましょう もう少し あとになってからね いまは まだ ものがたりは おわりました …

だれにもいえない

だれにもいえない 今朝の地震のことをみんな忘れている 怖くて怖くて でも また眠った 眠れるというのは 安心だ 眠るというのは 安心を描くこと 眠り続けていたら 次 起きたら 窓の外は 何色 しているだろう だれにもいえないことだからね だから あなたに打…

はしりまわる

走りまわる 追いかけられているのか それとも 自分勝手に 走りまわっているのか 止まらずに 全力で 全力で 走る というのだから 両足を地に着けているはずなのに 次に 気がついたときには 転げまわっている ころころ ころころ 転げまわっている ずっと ずっ…

倉下忠憲「すべてはノートからはじまる」を読んで

読み始めたときの気持ち 【ノート関連の本】 ノートを取りながら読む。 読む前に、気になっていたこと 読み終えたとき 読み始めたときの気持ち 7月26日、 とても楽しみに待ち焦がれていたのです。 相方に、本屋さんで買ってきてもらいました。 控えめにいっ…

日記-2021/08/08-

本を読み続ける。 本を読み続けて、休みの土日が終わる。 1冊の本を、ただひたすら夢中になって、読み続けていた。 それは、もしかしたら、なにかから逃げていたのかもしれないけれど、 それよりもなによりも、ただひたすらに、 この休日は、「この本を読み…

日記-2021/08/06-

普段と違うことをする。 それは、今日の昼間に仕事のほんの少しの隙間に、思い至。 普段と違うことをする。 その時間を思うと、少し、ほんの少し、浮かれる。そわそわとする。 それによって、普段のことができていなかった。 できていなかったということに気…

消える

消える かばん 消える あったもの なかったもの 消えた かばん 消えた なかったもの あったもの 忘れた 思い出す 気付く 目の前に 消える 浮かぶ 消えていく 気付く 目の前に

日記-2021/08/02-

見えない肌を伝う汗 その汗が端から端まで行った頃 わたしは わたしが剥がれていく 幾重にも 幾重にも 見えない肌を伝う汗 生まれて 消える 生まれて 生まれて 生まれて 消えていく わたしの中から わたしが消えていく わたしから わたしが剥がれていく 幾重…

風を吹かせる

風を 忘れる 忘れていた 忘れているままでは いけない 思い出す 忘れていないように 風を吹かせる どんな風 静かな おもしろい風を

きょうりゅうのへや

ここは きょうりゅうのへや とても にぎやかです ずっとまえから きみがくるのをまっていました とても にぎやかです はなししていることばは ちっとも わかりません なにを はなしているの なにを はなしているの とても たのしそう あたしも まぜてほしい…

電話のにおい

Fさんへの電話 電話のにおいが受話器から 声の色と においと ほんの数分の出来事 こわいこわくない 棘が刺さっているそれは 棘ではない 抜こうとしても決して抜けない永久に背負うもの 毎月 月末になると思い出すのだろうか まるで 眠らない夜は続かないよう…

事実は そこにはない

Aさんの電話に掛けたら Aさんが出る そう思うことは 正しくなかった そう思って話し始めたことが どうにも恥ずかしかった Aさんかどうかを 確かめる間もなく 話し始めたことがショックだった よく考えてみたら 声が似ていたわけでも 雰囲気が似ていたわけで…

続けるということ

続けるということ 続けてみると いいですよ 続けてみたら わかることがありますよ その通りだと思います その通りにしてみたいと思っていました 続けることがストップしてしまったとき 続けてみたら わかることが 濁って わからなくなったとき これから どう…

踊る 眠る 踊る

朝から さわがしい (いい方の)あの人の(いい方の)ことばが目の前で踊る 踊る 踊り続ける 朝から さわがしい 自分的一大イベントがあるからだ イベントという言葉を使うと なんだか ちがって感じる おもしろいね あの人の(いい方の)ことばが目の前で踊る 踊る…

影を探して

影を探して 光 気絶しそう 背中を向けて ただ静かに 背中にいるのは わかっているのね 気絶しそう 影を探して 光の中に