真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

踊る 眠る 踊る

 

 

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朝から さわがしい

(いい方の)あの人の(いい方の)ことばが目の前で踊る

踊る

踊り続ける

 

朝から さわがしい

自分的一大イベントがあるからだ

イベントという言葉を使うと なんだか ちがって感じる

おもしろいね

 

あの人の(いい方の)ことばが目の前で踊る

踊る

踊り続ける

 

幼いころからずっとそこにあった建物の中に入る

おもしろい感覚

しばらく立ち止まっていたいけれど

係員がじっとこちらを見るので 建物の中から出ることにした

 

 

しばらく 眠っていた

しばらく 眠っていた

まだ 夜ではない 

まだ 今日だった

 

「大丈夫だから踊りましょう。大丈夫だから目を覚ましなさい。踊りましょう。

 こっちへおいで。心配ないよ。悪いことは言わないから。

 きみには、いい方のことばしか聞こえないようにしてあるから。

 心配ないよ。踊ろうよ。周りの目なんて気にせずに。

 もう、起きなさい。眠っている時間は終わったよ。

 おはよう。踊ろう」

 

泥のように沈む

泥のように埋もれる

分からなくなる

それは 本当はとてもよく分かっているのかもしれない

分からなくなっている

そう思うことが なにか

なにかから逃げようとしているのかもしれない

 

逃げては いけない

 

まだ もう少し 眠っていたい

 

だけれども

踊って 眠って そうして 踊ろう