真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

随分と前のことが今さっきみたいに表れて凝視してしまう前に(2023年12月より)

随分と前のことが、今さっきのことみたいに表れて凝視してしまう前に 呼吸がちゃんと、できるように、ということを考える。 そして、そうして、動いていく。動かしていく。 心を、身体を。 もう二度と、と、もう一度の狭間で。 ha | za | ma を着る。 着ると…

動かないと真っ逆さまに転げ落ちていく(2023年11月より)

おおきな決断 ふたつ同時に と 考えていたけれど 逼迫してきたのは ひとつの方 動かないと 動かない 大都会を通過する 会いたい人に会うために 行きたいところに行くために 待ち合わせ場所を確かめるために ベール 被って 通過する 【2023年11月の1枚】 吉田…

どこにもない、どこにでもある(2023年10月より)

8月9月の慟哭を脱ぎ捨てるように焦ってばかり。10月、足掻いていた。 そうしたら、どこにもない、どこにもないと叫び続けていた。 どこにでもある、どこにでもある、と、合点がいくまでに、随分と時間がかかった。 目の前にあるというのに。 もしくは、 もう…

これから、駆けていこう(2023年9月より)

9月。 逃げる、追いかける。逃げる、遠くから追いかける。 できないできないではなくて、できる術を考えよう。 10日後の複雑な妄想ではなく、集中するのは18日後について。 さあ、走り出せ。 さあ、駆けていこう。これから、駆けていこう。 【2023年9月の1枚…

きっかけのひとつ(2023年8月より)

もうそれまでの見ていた景色ではないだろう。 自分にとっては大きな出来事でも、「よくあること」「みんな、そうです」と言われてしまうだろう。だとしても、もうそれまでの見えていた景色とは違っている。 今の現状に対しての否定的なことばかりに意識を向…

季節が10日、進んでいる(2023年7月より)

季節が10日、進んでいるから、今がどんどん遠ざかる。今がどんどん溶けていく。 雨が降らないなんて、きっと誰もいっていない。だから雨に遭ったって誰かに何かを言うわけにはいかない。 ただ、少し、冷たいような、雨。 一ヶ月前と同じような空でした。一ヶ…

滲む境界線に希望を託す(2023年6月より)

滲む境界線に希望を託す。 見える世界の色が一瞬にして変わるとき、その色を信じたくない。信じられない気持ちでいっぱいになる。信じられないというよりも、事実を受け入れたくないという状況。そんなとき、なにかに(相手が疎ましく思うことも構わず)しが…

きみはぼくにまたあいたくなるだろう(2023年5月より)

(ほんとうのことはことばのなかにはない) だけど だから うれしいというかんじょうがうまれたとしても どうようしてどうしようもなくなる ほんとうのことをけっしていわないのは おびえているから かもしれない もう あんなひびにならないように きたいする…

ターニングポイントと、今の場所(2023年4月より)

行きたい場所が、自ずからやってくるわけではない。 行きたい場所は、どこにでもあるわけではない。 あのまちが このまちに なるまで まだ とおくても あのまちを おもう ターニングポイントは半年前。 そして、そこから、今の場所をじっくりと確かめる。 焦…

始まるのは、工事だけではない。(2023年3月より)

工事が始まった。 年度末を経て、年度が新しくなるというのに。工事が始まった。 一方、年度を越えても、このまちはあちらこちらで、工事が続いている。 何を取り壊し、何を新たに作り上げているというのだろう。悲しみや苦しみの末に。 始まった。 今迄、長…

思い出すことは、悪いことではない。(2023年2月より)

とてもたくさんのことを、忘れていった。覚えていることがくるしくて、もう、いたたまれなくて、忘れていくことばかりを考えていた。 ところが、くるしさは1種類だけではなく、一方でくるしくないことも少なくないのだった。それに気付くのに随分と時間が掛…

丑三つ時に潜って見えたもの(2023年1月より)

おもしろそうと、飛び込んだ。 丑三つ時に潜って見えたものは、おもしろさのヒントだった。四六時中、強くいられない。かといって、ずっと、弱く草臥れてばかりいては、苦しいでいっぱいになる。 羨ましいなすごいなあなどと悔しくなっても全て真似られるわ…