真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

コップ半分のタイムトラベル

恐怖を後悔する。

 

色んなことはタイミング。

色んなことは、どんどん過ぎていく。後悔が全身を覆う。

いけない、いけない。後悔ばかりに囚われてはいけない。後悔とは振り返ること。

いけないいけないいけない。振り返ってばかりはいけない。振り返ってはいけない。

後悔するかもしれないという、ほんの一滴の可能性よりも、恐怖に覆われていた。

その恐怖は、形を変えて、目の前に、ずっといる。

恐怖は、消えない。恐怖こわいこわいこわい。

そんなことばかり考えていたことを、 後悔する。

 

 

コップ半分でのタイムトラベル。

数年ぶりに、ひょんなことから、お酒を飲む。

ハイボール(ジムビーム・ウィルキンソン炭酸)コップ半分。

口に含む前の香りで、タイムトラベル。

20年近く前のとあるエピソードが、目の前に。

 

こんなに思い出すとは思わなかった。

コップ半分、飲み終わった頃には、何だか茫然としていた。

 

20年前近く前のことを思い出す。

20年前近くのことを思い出さないようになるには、あと20年ほどは必要だろうか。

 

いや、ちがう。

幾年経っても、忘れられないこと。身体に、心身に、沁みついている。

 

 

それは、あきらめなければならないこと。それは、向き合わなければならないこと。

そのとき、どんなだったか。

そのとき、どんなに楽しかったか。かけがえのない時間だったか。

そのときと、今は、どれだけ、ちがうのか。

 

 

体の傷は、何十年経っても消えない。右肘、左人差し指etc.

消えないことは、悪いことではない。向き合うべきこと。

傷を見る。思い出す。ただ、それだけ。

 

 

思い出して、

そして、

今に、戻ってくる。

 

 

 

 

 

 

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