真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

とんぼの背に乗って

 

 

「過ぎいく夏に、淋しさを感じる」と君は云う。

 

  淋しいなんて感情、もう、遠くへ消してしまったよ。

 

 

汗を零し、髪を切り、アイスを食べて、夏が消えていく。

まだ、まだだ。

 

汗のことだけではなく、2日前のとんぼのことを思い出す。

わたしのまわりをぐるぐると、まわって、飛んでいた。

 

どんなことがあっても、

どんなことが起きても、

 

空は、ある。

 

月は満ち欠けるし、星は巡り続ける。

 

過ぎいく夏のことよりも、

とんぼの背に乗って、秋を確かめにいこうさ。 

 

 

 

 

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