真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

ばらのうた

 

ラジオから流れてきた「みらいのうた」

嫌いになれない好きな声。

胸が少し、ほんの少しだけざわつく。

 

 

 

後悔するのは、さよならの始まり

さよならの道は、まだ、歩き始めたばかり。

 

薔薇をもらいました。捨てました。悪いことをしました。

だけど、だから、何十年経って

経ってから、薔薇をもらったことを思い出しています

一生(墓場まで持っていく秘密荷物秘密言葉)消えないと思います

 

 

もっと 薔薇をください どこにも隙間がないくらいに 

もっと 愛をください どこにも溝がないように

もっと もっと 

 

きっと ぜんぜん 足りないよ

もっと できたのさ 

愛を

愛を 

言葉を

 

染まってしまえば もっと あなたの色に

あなたの色に染まるのは まだ

まだ

足りないよ 

 

まだ 道は ある

どこ ここ ここ ここ どこかしら

探そう 探そうさ 

ね  

 

 

ねえ もう うたごえは聞こえないの

ねえ もう一度

もう一度だけ

ばらのうたをうたってよ どこか遠くでいいから

どこか遠くでいいから わたしの 目の前でなくていいから

うたってよ

うたってよ

この 側でなくて いいから

 

いま さびしい なんて いわないから

 

もう一度だけ

遠くで うたっていて

遠くから 聞かせて

 

ばらのうた