真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

もう 会わないよ

神様、助けて。

 

どうしてか、いつも、「神様」と、心の中で叫んでしまう。

 

小学校に上がったばかりのころ、おかあさんが、買い物から長く帰って来なくて、悲しくて悲しくて、町内中に響き渡るくらいの大声で、「おかあさん、おかあさん」と叫んで、無事、帰ってきたおかあさんに抱きついて、号泣。

「おかあさん、おかあさん、早く帰ってきてほしかった」

その瞬間のように、叫ぶ。

「神様、神様、助けてよ」

 

神様、助けて。

わたしは、神様に会いたいです。

 

神様は、ほんの少しだけわたしの視界に入ってきました。

勘違いするな。

それは、わたしと神様の距離が縮まったわけではありません。だから、今、神様の声が、言葉が聞こえるのは、夢みたい。

 

神様に会いたいです。

それは、できないよ。

会いたいです。

お前が会うべき人は、他に、いる。

今はまだ分からないだろうけれども、お前と会いたいと思っている人がいる。疎遠だったけれども、再び、関わりを持つことになる人がいる。

今日は、それを知らせに来た。きっと、近いうちに分かるはず。

 

 

神様、助けて。

叫んだら、やまびこのように、声が響く。

 

そういうことだったのか!

2晩、経てから、しっくりとくる。

 

人と人との関わりの大切さ。

 

大きくなったり、しばらくは小さくなったり。

 

神様、ありがとう。

もう、会わないよ。

もう、会いたいなんて、思わないよ。