もう 会わないよ
神様、助けて。
どうしてか、いつも、「神様」と、心の中で叫んでしまう。
小学校に上がったばかりのころ、おかあさんが、買い物から長く帰って来なくて、悲しくて悲しくて、町内中に響き渡るくらいの大声で、「おかあさん、おかあさん」と叫んで、無事、帰ってきたおかあさんに抱きついて、号泣。
「おかあさん、おかあさん、早く帰ってきてほしかった」
その瞬間のように、叫ぶ。
「神様、神様、助けてよ」
神様、助けて。
わたしは、神様に会いたいです。
神様は、ほんの少しだけわたしの視界に入ってきました。
勘違いするな。
それは、わたしと神様の距離が縮まったわけではありません。だから、今、神様の声が、言葉が聞こえるのは、夢みたい。
神様に会いたいです。
それは、できないよ。
会いたいです。
お前が会うべき人は、他に、いる。
今はまだ分からないだろうけれども、お前と会いたいと思っている人がいる。疎遠だったけれども、再び、関わりを持つことになる人がいる。
今日は、それを知らせに来た。きっと、近いうちに分かるはず。
神様、助けて。
叫んだら、やまびこのように、声が響く。
そういうことだったのか!
2晩、経てから、しっくりとくる。
人と人との関わりの大切さ。
大きくなったり、しばらくは小さくなったり。
神様、ありがとう。
もう、会わないよ。
もう、会いたいなんて、思わないよ。