真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

「階段の先に」

 

 

階段を上るとそこは 2階 

息を飲む デジャブでいっぱい 

ここで足を止めていてはいけない 次へ進む

階段を上るとそこは 3階イベントスペース

 

これから始まるかけがえのない時間が

にっこりと 笑って 待っていた

ちょうど開催されていた展示が 

よりこれからの時間を美しく彩っていた

 

何か 一つ 欠けてもいけない

何か 一つ 増えてもいけない

 

月がだんだん上ってくることも

サイレンが暫く止まなかったことも

ホームのアナウンスがけたたましく それに恐れてしまっても

 

空間は 偶然に作られるのではなく 

そのように作られると 決まっていたとしたら

その瞬間を目撃できて よかった しあわせだった

 

翌朝になる

刺激を受けた 動揺を隠せない

 

朝には いつも通りに1時間は汗をかいて

サンバイザーの下で涙を流す

 

あの頃には 戻れない

あの頃を 思い出す

あの頃も あったのだ

 

そして 

そうして 今もある

今になる

 

世界が大きく変わるわけではない

世界を大きく変えたいわけではない

同じようにしたら 何か変わるのか

そうではなく

同じようになんてできない

 

まわりを見ないわけではない

まわりと関わらないわけではない

 

この先が どこか陰り始める前のタイミング

 

なんのために

 

ただ

なにか

なにかが

そっと

そこに

 

階段の先に

 

 

 

 

 

 

9/11 Sun.

ポエトリーLIVE&オープンマイク [POETRY LOOPS] 観覧、オープンマイク参加後の