真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

消える 変わる その先に

決して 云ってはいけないことを
云いたい気持ちに駆られる 追いつかれる 追いかけられる
云いたい気持ちに駆られる 云いたい 云えない 癒えない
そんなの 云えるわけない
いたたまれない

けれども 気持ちは
一ヶ月もすれば消える 変わる
それに気づいた今 何も怖がることはない はず

それまでの辛抱
辛抱 辛抱 辛抱していたら それで 大丈夫なの

さあ そんなことは わからない
ともかく いたたまれない

 

とてもとても 強く願っていた ただひとつのことを
決して 叶わない なんて思うことなく
決して 叶わない なんて思うことないから
強く ただひとつのことを願っていた そして それを伝えていた

伝えていたことを 忘れたわけではない
忘れようとして 忘れたわけではない
ただ 消えていった
消えてしまった 忘れたのではなく 寄せては返す波のように
消えてしまった 
思い出そうとしても 
思い出そうとすればするほど 
消えてしまったその感覚に近づくことはとても難しい

云いたい気持ちに駆られていた それは もう遠い昔のことのようで
思い出そうと することさえ
いたたまれない

 

消える 消えていく 消えていく その代わりにやってきたものは
変わっていく 変わる 変わってしまうことの悲しさよりも その先に

 

そうして そして 
それから

 

今は どこ