真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

スイッチ

スイッチがあることを忘れてはいけない。
それが、とても小さなことだとしても。色んなことすべてを一瞬にして(一瞬の間は)忘れていられる。そのスイッチで目の前が照らされる。

スイッチがあることを忘れてはいけない。
それは、教えてくれたことはとても嬉しいこと。色んな意見があって、それでいい。色んな見方があって、それでいい。だから、そのための(それをちゃんとわかるための)スイッチがあると、教えてくれて、ほっとする。

真っ暗闇にずっといなければならない、なんて、そんなことではないから。そのスイッチを押さなくても、そのスイッチが押されなくても、灯りを、目の前に見つけなきゃ、見つけよう、と思うのだけれども。どうにもこうにも、すぐに、真っ暗闇にいるような錯覚に陥る。

スイッチはひとつではない。なんて、そんなことは、もっと随分と前から知っていたはず。たったひとつのスイッチだけに、期待をしてはいけない。

スイッチはひとつではないから、だから、もっと、明るくいられる。
灯りを、目の前に、灯りを。
照らすことができる。