3日後の雨の色
雨は必ず止むのだから、これから降ることを驚いているというのは滑稽。
3日後の雨の色は、今日とは違うのだから、必ず。
ねえ、心配ないよ。
心配ばかりしていても、3回、眠ったら、土曜日になる、必ず。
降り続く雨。
真っ白。轟音。
降り止まない雨。
真っ暗。轟音。
だとしても、本当はだれも叫んでいない。
本当は、何も取り壊していない。
新しいものを作るために、まちはどんどんと壊されている。
壊れたくて、壊しているのかしら。
それとも、指令を受けたから、壊している。
壊されている方も、何ともなく、ただ、黙って壊されているのかもしれない。
まちが変わるのを、認めたくないというよりも、
見ていたくないというのが、正確だろう。
もう、たくさん、見てきた。変わっていく。全部連れ去っていくことを見てきた。
だから、もう、そのさまを、ずっと、逐一、見ていたくない。
(数年、数十年後に、間違って訪ねてきて、状況確認することは悪くないかもしれないけれども)
雨は必ず止むのだから、これから降ることを驚いているというのは滑稽。
3日後の雨の色を、今から、怯えていてはならない。
3ヶ月前と同じく、雨は、夕暮れ時には、止んでいるのかもしれないのだから。