真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

3日後の雨の色

 

雨は必ず止むのだから、これから降ることを驚いているというのは滑稽。

3日後の雨の色は、今日とは違うのだから、必ず。

 

ねえ、心配ないよ。

心配ばかりしていても、3回、眠ったら、土曜日になる、必ず。

 

降り続く雨。

真っ白。轟音。

降り止まない雨。

真っ暗。轟音。

 

だとしても、本当はだれも叫んでいない。

本当は、何も取り壊していない。

 

新しいものを作るために、まちはどんどんと壊されている。

壊れたくて、壊しているのかしら。

それとも、指令を受けたから、壊している。

壊されている方も、何ともなく、ただ、黙って壊されているのかもしれない。

 

まちが変わるのを、認めたくないというよりも、

見ていたくないというのが、正確だろう。

もう、たくさん、見てきた。変わっていく。全部連れ去っていくことを見てきた。

だから、もう、そのさまを、ずっと、逐一、見ていたくない。

(数年、数十年後に、間違って訪ねてきて、状況確認することは悪くないかもしれないけれども)

 

雨は必ず止むのだから、これから降ることを驚いているというのは滑稽。

3日後の雨の色を、今から、怯えていてはならない。

3ヶ月前と同じく、雨は、夕暮れ時には、止んでいるのかもしれないのだから。