3日後の雨の色
3日後の雨の色をどうしてわかるだろう。色がわからないから形を考えてみようか。雨の形が胸に突き刺さる。まだどんな形か知らないというのに。知らないことを必死に辿ろうとするのは、悪い癖ね、きっと。
雑踏の中の静寂。尋常でない。
静寂の中の雑踏。居た堪れない。
その瞳が鋭いことぐらいは知っている。知っているから、どうやったらそこから逃れられるのかを探している。いえ、もう、わかっている。逃れる方法を知っている。その瞳を見なければいい。その瞳以外を見ればいい。それだけ。とても簡単なこと。
3日後の雨の色は知っている。知っている。3日後の雨の色を作るのはわたし。これから作るのだから。望むような色に。雫に。涙に。
雑踏の中で消えていく。望み通りに。
静寂の中で消えていく。望み通りに。
なにも心配はないよ。
だから、もう決して気にしないで。
消えていくのが理想なら、そんな風に叫んだのなら、繰り返し叫んだのなら、もう何十年と過ぎたのだから、なにも心配はないよ。
消えていく。
3日後の雨の中に。