真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

予言者

予言者のいうことに疑問を抱いた

そんなことは ない

そんなことは ないと意地を張っていた

 

予言者のいうことは間違っている

そんなはずは ない

そんなはずは ないと強情になっていた

 

感情をぶつけてはいけない

過ちを繰り返さないように

感情に従った過ちを繰り返さないように

感情をぶつけることのないように

 

夏は どこか恐ろしい 何もかもを関連付けてはいけないけれど

夏は どこか奇妙だ 

 

全ての感情をぶつけることのないように

そのことばかりを考えていた

正しいとか正しくないとか

何か違った力が働くとか 何が起こるのやら起こらないのやらと

 

それは取り返しのつかないことになると

過去に起きてしまった取り返しのつかないことと同じぐらい

後悔することになると

 

それは 数日 経ってからわかること

そのとき その瞬間に

どうして わからなかったのか

 

わかろうとしなかった

わかりたくなかった

 

逃れられないのではなく

逃れようと しなかったのかもしれない

 

そういうことも

ぜんぶ ひっくるめて

予言者は わかっていたのかもしれない