スマートボール
時空が、捻れる。
一気に当時に戻る。
一気に、当時が蘇る。
そんなことが繰り返される、この1週間。時空が歪む。
あれとこれを 狙って ただ狙って
集中して 意識を集中して
長い時間を掛けてはいられない
よその気持ちが入る隙なんて これっぽちもなくて
上手くいくときは少なくて
それでも 狙って ただ 狙って
時には 上手くいくさ
貴重な一瞬の繰り返し
一気に当時に戻る。
一気に、当時が蘇る。
そんなことが繰り返される、この1週間。時空が歪む。嘘みたいだ。みんな、嘘みたい。
みんな、ほんとうのこと。
20年前、ただ、ひたすらに好きなことに素直に夢中だった。
それが、後々へ大きな代償と影を落としていくとは露知らずに。
2年前の11月、なつかしさと自分自身への挑戦とに立ち向かった。
それは、影を飲み込む勇気を今後へ期待すれば後悔には至らず、貴重な経験となった。
12年前の11月、長年の夢を叶えていくんだと無我夢中。慟哭の中で。
4年前の11月、縁を守りながら、羨ましさも抱きながら。束の間の、緩やかさ。
去年の11月、ぼんやりと。
今はどこにいるのだろうかと、ぼんやりとしていた。
今は、どこにいられるのだろうか。どこにいるのだろうか。
どうにもならないもどかしさに。傷心に駆られながら。
それでも、
まだ、スマートボールは手の中にあった。
手の中からスマートボールが生まれたから、思い切って、レバーを弾こう。
時空は、捻れている。
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