真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

炎と水

炎の中にいた 

ずっと それでもよかったと思った

炎の中は 心地よかった

ずっと いられるわけではないとも思った

ここにいることが わからなくなるほどの気絶にはならないように

 

炎の中にいたが 風が吹く

そして 水を浴びる

風と 水で

熱い 熱い体と心が 冷めていく

熱かったことが嘘みたいに 冷めていく

 

炎をもう一度感じてみようと

似たような動作をしたけれども

もう さっきほどは熱くならなかった

心は熱くなっても 体を止めてみると あっという間に冷めていく

 

炎のことを思い出すと 少し怖くなってしまう

だけれども 風と水には とても助かった

動かなきゃ分からないこともある

止まらなきゃ 分からないこともある

 

 

 

 

 

 

 

 

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