真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

どこにいても、わたし

よく声をかけられる。ここ一ヶ月。
仕事が終わった後のぼんやりとしているときや、朝一番のぼんやりとしているとき。仕事中で必死になって自転車を漕いでいるとき。

たいてい、自分からは気づかない。声をかけてもらう。あまりにぼんやりとしていることばかりなので、はっと顔から火が出るほど恥ずかしくなる。今日などは、「今朝、あの小学校の横を通ってたでしょ」と思いがけない人から。

とても恥ずかしいのだけれども、どこにいても、わたし。制服でなくても、制服であっても、わたし。どうして気付くのだろう。見つかってはいけない場所ではないから、それは、声をかけてもらうことは有り難いことだと、思う。目立つ赤い自転車に乗っているから? でも、赤い自転車に乗っているのは、町中でわたしだけではないだろう、きっと。

どこにいてもわたし。
気を抜けないわけではないけれど、どこにいても、わたしは、いるのよね。