夢を見るための時間
悪夢を見た。
恐ろしくて仕方がなかった、正夢にならないかと思ってずっと怖かった。
でも、その怖い気持ちよりも、楽しいことを忘れてしまう。それは、いけないことだった。楽しいことは、美しいことは、どこにでも、本当はある。
・
夢のようなひととき
ふいにやってきたご褒美のようで、涙が出るほど嬉しかった。
声が
言葉が
吐息が
指先の優しさが
・
夢を見るための時間
夢を見よう
嘘みたいな 夢のひととき
ロマンティックしかない ひととき
嘘しかない ひととき
・
夢を見るための時間
夢を見るための時間が必要です
だから
もっと 眠らせて
いいえ もう十分に眠ったから
起きなきゃ
起きて 泳ごう
夢の中へ
夢を見るための時間へ
泳ごう
泳ごう
どこへ行けるかわからなくても
泳ごう