真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

夢を見るための時間

悪夢を見た。
恐ろしくて仕方がなかった、正夢にならないかと思ってずっと怖かった。

でも、その怖い気持ちよりも、楽しいことを忘れてしまう。それは、いけないことだった。楽しいことは、美しいことは、どこにでも、本当はある。

夢のようなひととき

ふいにやってきたご褒美のようで、涙が出るほど嬉しかった。

声が
言葉が
吐息が
指先の優しさが

夢を見るための時間

夢を見よう
嘘みたいな 夢のひととき 
ロマンティックしかない ひととき
嘘しかない ひととき

夢を見るための時間
夢を見るための時間が必要です

だから
もっと 眠らせて

 

いいえ もう十分に眠ったから
 起きなきゃ
 起きて 泳ごう

夢の中へ
夢を見るための時間へ

泳ごう
泳ごう

どこへ行けるかわからなくても

泳ごう