真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

04/01

2015年

「手紙」

元気で 楽しい日々を過ごすことができているのは
すきなことに囲まれて 過ごすことができているのは

もっと いろんな話ができればよかったと
もっと にこやかに話ができればよかったと
悔やみ 数えれば きりがない なさけない

けれども いまは 
ここに こうして いられることに 感謝をして
生きて いられることに 深く 深く
毎日 どんなことがあっても

遠くへ行くことをしなかったから
西を見れば 生まれてから12年間 育った町
北を見れば その後 6年間 育った町
毎日のように 行き来して 時には 立ち止まって

覚えていないことが多すぎる
それでも ふっと なにげないシーンが目の前に浮かぶ

あと3年すると 母がいない年月の方が長くなってしまう
なんだか 信じられない よう で

交わした言葉よりも
そばにいる あたたかさを感じて いつも

これからも そばにいてね


2018年

「桜の日」

毎日 通勤及び仕事時間内にも
たくさんたくさん目にしているけれど
やっぱり今日は 桜の日

ゆっくりとのんびりと
桜を見る

不思議と桜を見ているときは
思い出さなかった

帰宅して写真を見て
そうして 思い出す
あの日も桜は咲いていた
桜が 風に舞っていた

桜の日になるまでよりも
その境目からこっちの方が
今年から 長くなった

忘れるわけはないけれど
だんだん 桜の日が遠くなる
そうして これから 年を重ねていくのね

生きていくことは
忘れないでいること

生まれたことを 産んでもらったことを
感謝して 18の春から  もう37の春になる


2019年

「特別な日」

何年経っても
4月1日は特別な日
だから今日はどんなことがあっても
気にしない気にしない

4月1日
今日も 今年も
何度伝えても足りない
ありがとう


2020年


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