真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

「おわかれ」

 

どんなに ぼろぼろになったって

かれにもらったプレゼント

いつも身に付けていました

かれが そばにいるみたいでね

たったいまからそれも

もう

おわかれね

 

 

意識なんてしないで

意味なんてなんにもないから

ねえ

かれって 

どんな人

なんて 聞かれても

もう

おわかれだから

なにも

しらない

しらないままでいたい

iPhoneの中に映っているのが

かれだと 

認識するまでに

2ヶ月の時間が掛かりました

もう おわかれです

 

 

自滅

明滅

暗転

かれにもらったプレゼント

どこに いきましたか

探さなきゃ

なくしたなんて

しられたら

ただじゃすまない

たいへんなことになりますよ

明滅

自滅

黒い塊を背負って

追いかけて

追いかけられて

迫られて

迫ってくる

逃がさないよ

いいえ 

ちゃんと 遠くへ逃げるのです

 

 

黒い塊に飲み込まれて

左半身

真っ黒になりました

わたしがわたしでなくなって

かれは

やっと

遠くへ

去っていきました

 

 

右半身も 真っ黒になって

もらったプレゼントは 郵便で返しますから

もう

おわかれね

 

 

 

 

 

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