真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

どこにいても

今すぐに逢いたい
なんてわけない
だけど
ごきげんいかが
と伝えてみるのは
きっと 悪くないよね
そう こちらに告げてもらうことは
とてもうれしいことだから

間違って真夏の居残りのような日々でも
すっかりお酒に対する思いが消えた
代わりに
喉を通るのはカルピスとハーブティ
すっかり
薄味じゃなきゃだめになってしまって
玉子豆腐の塩辛いこと

薬を持って出勤するのを初めて忘れ
パニックパニックパニック
取りに戻る
(眠前薬も含めて)
処方薬すべてを日々携帯することにする、落ち着く

左後頭頂部がどすんというのは
なにかの合図だね

友人知人のことばがそこにあっても
SNSの距離感は人それぞれ

だから
わたしが毎日ことばに触れている人がいて
でもその人はわたしのことに触れているとは限らない
だけど
わたしが知ってくれているとは意識していなくても
わたしを知っていてくれることがあるかもしれない

今すぐに逢えない
だけど 声が聞きたい
そうしたときには
ごきげんいかが
と伝えてみるのは
きっと 悪くないよね

あなたの声が
わたしの声が
聞きたい