真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

No.3

おもちの会があった、日のこと。


重い腰を上げて、待ち、は、ようやく、あたしをお店に連れて行ってくれた。か、か、か、かかかかか、と歩を進める度に声を上げるようになってから、数ヶ月は経ってしまいましたよ。お店の影が見えたとき、ほっと、したわ。マスターは、「夕方頃に、来てね」と云う。代車を借ることができて安心して、待ち、は、姿を消してしまったの。あたしは、ひとりぽっち。お店で、マスターといっしょだけど。待ち、は、いない。7時間も、待ち、と逢えなかった。


あたしは、きれいになりました。マスターは、あたしの芯棒とベアリングの交換及び、たるみきったチェーンを1コマつめてくれました。7時間ぶりにあった、待ち、は、とびっきりの笑顔であたしをみます。うれしいな。うれしいよ。待ち、が、笑っている。


また、ずっと、いっしょだね。