真夜中の看板持ち

待子あかねです。詩を書いています。白昼社より詩集『スカイランド』『スカイツリー』発売中。

6月18日(木)ドラマ「夜光の階段」が終わった。翌日、本屋さんで松本清張の原作(文庫本上・下)を購入。ニ三日のうちに読了。全身が身震いをする。熱くなる。何かが、バリッと音を立てて崩れ落ちた。終り。佐山道夫(主人公)が急速に自分の中に迫ってくる。似ているところは、ほんの少ししかないはずなのに、数年前の知人のような声をして迫ってくる。迫って、きていた。終り。影を潜めて、消える。ほんとうは消えていないのかもしれないが、終り。ドラマのクライマックスと、原作のクライマックスと、どちらともに魅力を感じる。引き寄せられて。考えさせられて。終り。もう、それだけ。真夜中に降りしきる雨は、朝には跡形もなく、上がる。ただ、それだけ。